最新の日本経済を学ぶーポイント経済圏について

 資産運用を始めるのであれば、最新の日本経済の状況については把握しておく必要があります。今の日本経済のポイントは「携帯キャリア会社間での縄張り争い」、それに付随した「ポイント経済圏の拡大」、「Vポイントを加えた、5ポイント経済圏の戦い」です。別に経済の専門家になる必要はまったくありませんが、この3点は理解しておかないとどこかで自分の立ち位置を見失います。

 もともと同種企業間での集客合戦はあり、コンビニだとセブンイレブンかローソン、ファミマかかみたいなレベルでの戦いは続いていました。顧客としては各々サービスが良いと思った方を利用するだけで特段意識することは必要ありませんでした。またコンビニを全く使わない人もかなりいるでしょうし、企業間での争いも、「その業種のサービスを利用する一定の割合の国民を母集団とする集客合戦」といったレベルでした。そんな状況が急変するきっかけになったのが、スマートフォンの普及です。2010年には普及率4%ほどだったものが2021年には90%を超え、2023年には96.3%まで拡大。まさしく1人1台はスマホを持つ時代に突入しました。そこではじまったのが、携帯キャリアによる、「国民全員」を顧客の母数にする集客合戦です。そこで主要シェアを勝ち取ったのが大手キャリア会社を持つ、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天です。これら4社は、スマホの性能や携帯料金の安さを戦わせながら顧客を奪い合ってきました。そんな戦いが徐々に共通ポイントを介した経済界全体のチーム対抗戦に広がっていきました。例えば銀行は楽天銀行、ネットショッピングは楽天市場、クレジットカードも楽天カードにすれば楽天ポイントがもらえるという感じであらゆる業種で共通のポイントがたまる社会になっていきました。企業も楽天圏内に入ることで、楽天市場に参入できたり、楽天edy払いサービスを使えるなど楽天ユーザーの集客を狙えるわけです。このような経済圏が一般企業、銀行、証券会社、クレジットカードなどに急速に広がりつつあります。また携帯キャリアとは別にVポイント(旧Tポイント)も三井住友銀行をはじめシェアを広げて経済圏を作っています。

ここまでは知識として知っておく必要があります。そのうえでやるべきことは「自分のもともと使っているサービスや企業が何かしらの経済圏に入っているなら特典や共通ポイントを最大限利用する」、そしてさらに利益を追求するなら、「1つの経済圏を中心に経済活動し、足らないものは他の経済圏も積極的に利用する」です。前者は資産運用しない人でも誰でもお得になるので利用しないのは損しかありません。企業側からしたら、顧客がお得なサービスを利用する必要はないのでわざわざ提案はしません。知らない人が損をするだけです。後者に関しては資産運用を行うなら必須です。株式投資を例にすると、証券口座をどこにするかの段階から経済圏を理解していないと始まりません。